【書評】ストーリー・ウォーズ(ジョナ・サックス著)
ブランド理解のための第3弾は、スター・ウォーズのパロディ作品をつくったジョナ・サックスの書籍。タイトルに惹かれて購入しました。
【学び】
1.ブランディングにはやってはいけない5つの大罪がある。
①うぬぼれ:自分はすぐれたブランドであると、他者に伝えること
②権威:自分は権威がある存在だと、他者に伝えること
③虚栄:自分自身を実際以上に、より良く見せること
④偽装:自分自身の実態に嘘をつくこと
⑤下手なユーモア:人をバカにするようなユーモア(ギャグ)を見せること
2.ストーリー(=物語)には、敵対する相手が必要。
すべての物語(企業のブランディングでも同様)において、敵対する相手がいたほうが、そのストーリーはより面白くなる。
【参考:ハリウッドで使われるストーリーのつくりかた】
■1.準備段階
1-A:オープニングイメージ(p.1)
物語全体の雰囲気を提示。主人公の設定と抱えている問題を提示。
1-B:テーマの開示(p.5)
メインテーマの開示。主人公の抱える問題の解決法など、動機を与える。
1-C:お膳立て(セットアップ:p.1-10)
主人公以外のメインキャラ達(サブキャラ)を提示。過去やプロフィール等、設定の描写。
1-A及び1-Bを含む。
1-D:きっかけ(触媒:p.12)
一つ目の大きなイベント発生。
友人、恋人候補に出会う、敵と出会うなど、物語が動き出す。
1-E:熟慮(p.12-25)
主人公の前に、今、選択すべき問題が発生。ここで主人公は賭けに出るまでを悩む。
1-F:第二セクションへ移行(p.25-30)
主人公は決断し、新しい世界への扉を開ける。
■2.対立
2-A:サイドストーリー(p.30)
サブキャラの主人公に対する感情を設定、開示。
ここでハッキリとした敵対が生まれる。他に友情、恋愛感情なども現れる。
2-B:楽しみと遊び(p.30-55)
軽い調子のお約束的展開と中間点への伏線。
物語の中だるみを防ぎつつ、読者の共感を呼ぶ効果がある。
2-C:中間点(p.55)
主人公のストーリーと敵のサイドストーリーがクロスする。
物語はここで一旦、主人公が大敗し決着する。
その結果が、それぞれの利害関係を発生させることを明示する。
2-D:悪役に迫る(p.55-75)
勝った敵キャラがグループを組んだりして、より勢力を伸ばす。
2-E:全て失う(p.75)
主人公の人生はめちゃくちゃになり、死にたくなる。
味方のサブキャラである友人や恋人は死亡したり、裏切ったりする。
2-F:どん底(p.75-85)
主人公が、どうしてこうなってしまったのか、と考え込んで死にそうになる時期。
ここで主人公は、今までのストーリーで学んだことや、気づいたことを思い返し、自信回復へと繋げていく。
2-G:第三セクションへ移行(p.85)
自信を取り戻した主人公は強くなるため修行に入り、勝利の鍵を掴む。
■3.解決
3-A:大詰め(フィナーレ:p.85-110)
主人公はこのストーリーで学んだことの全てを敵にぶつける。
敵は倒れ、主人公の世界はより良い方向へ向かう。
3-B:エンディングイメージ(p.110)
オープニングとは逆のイメージ。
この物語で得た教訓で、主人公の世界がどのように変わったのかを強調する。