次のウォークマンをつくるまでの研鑽の日々

インターネットビジネスの事業分析、新規ビジネスのアイデアの吐き出し、読んだ書籍からの学び、日々起きた仕事現場での学びを書き綴る。

【書評】グロースハック(梅木雄平著)とグロースハッカー(ライアン・ホリディ著)

サービスのグロース(成長)を実現するための知識習得のために読みました。

今回は内容の重複する部分があったので、グロースハックとグロースハッカー
二冊まとめてレビューします。

 

グロースハック 予算ゼロでビジネスを急成長させるエンジン
 

 

グロースハッカー 第2版

グロースハッカー 第2版

 

 

【ざっくりサマリー】
プロダクトマーケットフィットと呼ばれる、ユーザーに商品の価値が認められている状態=市場に評価されている状態をまずは目指す事だ。その際には、マス(大勢)の顧客を狙うのではなく、もっともミニマムな市場(=ふさわしい顧客(アーリーアダプター)を狙えば良い。そのふさわしい顧客に対してのみ、華々しいオープニングを飾る事を目指す。そしてそこからは、5つのステップ(AARRR)での成長を目指す。


【3つの学び】

1.華々しいオープニングはいらない
ついついやってしまいがちですが、PRを活用して「どーん」と派手なオープニングを飾る事。ただし、それは不要というかむしろ邪魔。ふさわしい顧客にのみ通じて、その顧客が動くかどうかが大事だから。

2.潜在顧客の行動プロセスにマッチさせる
大事なことは、数字をみて、潜在顧客が行うであろう、行動を予測すること。「きっとこのサイトのニュースをみてるはず。きっとこのメッセージに関心をもつはず。なぜなら・・・・」など。結局人間は、これまでの購買行動から大きく変わった行動はしない。なので、これまでの消費行動に即したサービスを開発すべきだし、代替品としての魅力を提示すべき。

3.ユーザーの定義もマーケティングの仕事
サービスありきで生まれた場合や、実際にサービスを稼働させたところ、うまく行かない場合に、「誰がもっともふさわしいターゲットなのか?ユーザーなのか?」を数字をみて判断するのもマーケティングの仕事である。


【参考になる7つの事例】

1.グロースハッカーの書籍プロモーション時にファイル共有サービス上でプロモーションを実施。
参考になった点:(1)ファイル共有サービスのターゲットと書籍の読者層が一致。(2)ダウンロードするサービス上で、書籍の一部をダウンロードさせるというサービスと体験の一致性、(3)無料でコンテンツをダウンロードできるお得さ。


2.ペットホテルサービス(dogvacay)での顧客対応
会員登録後に、サービス側から電話でのフォーローあり。そして、直近でのペットホテルの利用予定をその場でヒアリングし、そのまま預け先までをマッチングさせて予約させるというテレアポのような顧客対応。
この営業力がすごいのではなく、「電話」という手段で顧客ニーズ(課題)をヒアリングする姿勢。

3.順番待ちリストと友達招待によるユーザー拡大
これは、有名な事例ですが、ドロップボックスでは、サービスの魅力が伝わる象徴的な動画をつくり、それをリリースし、そこから順番待ちリストを表示し、飢餓感をあおる。その後は、ユーザー招待するたびに、容量が増えるサービスで一気にユーザーを拡張させた。これは、招待された方にもプレゼントがある仕組みを設け、またサービス特性的に、嗜好品ではないので、招待しやすい、ということも成功した要素だと思います。

4.FacebookのKPIは10日以内に7人と登録すること。
単純にデータをみているだけではダメ。Facebookは継続利用するユーザーのひとつの沸点として、10日以内に7人とつながる、ということをみつけた。これにより、新規加入時に、この条件をクリアするようにサービス側がフォーローすることができる。

5.女子向けカレンダーアプリでの「レビュー投稿=スタンプ要望」化
コミュニティーファクトリーのカレンダーアプリの売りは「カレンダーにつけられるスタンプ」。そのスタンプの数と種類の豊富さが、ユーザーの継続やクチコミにおいても大事だった。そこで、アプリのレビュー投稿をユーザーのスタンプ要望場所とすることで、3つのリターンを得た。
一つ目は、ユーザーのスタンプ要望を収集できた。二つ目は、ユーザーをサービス開発に巻き込みロイヤリティーを高めた。そして三つ目は、レビュー数を増やし、アプリのランキング向上に貢献した。
これは、今後も活用できる仕組み。
ただし、このスタンプ要望に、出来る限りタイムリーに応えないと、ユーザーへの「WOW!」は生めない。

6.Airbnbでホストがゲスト募集を増やすための方法
ゲスト募集を増やすためにやった飛び技。普通なら、リスティングとかそんな手法になる。そこで、すでに同様のゲスト募集をしている大規模サイトに自動的に投稿することをあみだした。craiglistyという地域の貸し借り掲示板に、airbnbに投稿したら自動的に投稿する仕組みをつくった。これはcraiglistが提供しているAPIではない。このようなウルトラCを発想し、実装できるだけの技術が必要。

7.ユーザーのこれまでの消費行動にあわせたコンテンツ提供
マンガボックスでは、「週刊」でマンガ雑誌を読む、という「習慣」にあわせたコンテンツを提供。またシェアをすることで、次号が先に読めるという拡散を設けた事で、「続きを読みたい」読者の心理をあおり、クチコミ拡散に繋がった。

 

 

 ウォークマンまで、まだまだ。がんばろうー。