次のウォークマンをつくるまでの研鑽の日々

インターネットビジネスの事業分析、新規ビジネスのアイデアの吐き出し、読んだ書籍からの学び、日々起きた仕事現場での学びを書き綴る。

【書評】なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか? 尼口友厚著

以前、EC事業を担当していたこともあり、タイトルに惹かれて購入しました。

 

なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか?

なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか?

 

 

ざっくりサマリー

価格、サイトデザイン、よい商品だけを揃えるような当たり前の戦い方をしてもダメ、「唯一化」が勝負に必要な武器。

唯一化の武器には11種類ある。①付加価値、②コミュニティ形成、③ソーシャルメディア活用、④体験価値、⑤オフライン戦略、⑥バーチャル体験、⑦カスタマイズ、⑧ニッチ、⑨安心感、⑩コンテンツである。

一方で、その「唯一化」は実行しないとダメ。その実行のためには、①顧客の顔を常に見る、②自分自身がファンとなる、③模倣されない仕組み、④とにかく継続。


【4つの学び】

1.ストーリーに共感してもらい、商品の付加価値を感じさせる
例えば、東北を拠点として震災の被害にあった漁師。その漁師によってうみだされた幻のかき。
年間100食分しか生産することができない、その味。

このような「公共性」と「限定性」が高いプロダクトによって、「自己の承認欲求」が満たされて購買につながることがある。


2.ユーザーとの共同でのプロダクト開発により、ロイヤルユーザー化させる
例えば食品販売サイトにおいて、ユーザーにレシピ(セットメニュー)を募り、そのユーザーのアイデア商品として販売する。すると、そのユーザーは、自分が考えたレシピをたくさんの人に教えたい(承認欲求をみたしたい)ために、多く人に宣伝し、それが購買につながることがある。

3.商品をゲーム感覚で販売する
これは書籍に載っていた事例。キャンドル販売サイトで、キャンドルの中に指輪をいれておく。たまに高価格帯の指輪があたるようにしておく。

そうすると2種類のクチコミが生まれる。一つは、高価格帯を当てたユーザーのクチコミ。もう一つは低価格帯の指輪だが、低価格とは思えないかわいい指輪がおまけとして入っている事による、喜びのクチコミ。このクチコミがサイトの認知拡大につながり、購買につながることがある。


4.オフラインの購買接点により、2回目以降のEC購入の不安を払拭させる
これも書籍に載っていた事例。ジュエリーショップがECサイトでの1回目の購入障壁を解除するために「トランクショー」という取り組みを導入している。

仕組みは、同サイトでホスト希望者を募り、パーティー会場に同社スタッフがジェリーのトランクを持参し、パーティー会場内で販売をするもの。ホストには、当日の収益の一部が支払われる。これによって、このサイトの存在を認知し、2回目以降の購入をネットにつなげる事ができる。

高額商品であり、かつリピート購入が考えられるようなジュエリーという商品群だからこそ、ということもあるが、仕組みとしては面白い。


 ウォークマンまで、まだまだ。がんばろうー。