次のウォークマンをつくるまでの研鑽の日々

インターネットビジネスの事業分析、新規ビジネスのアイデアの吐き出し、読んだ書籍からの学び、日々起きた仕事現場での学びを書き綴る。

【書評】武器としての交渉思考

NHKのNEWS Webで見たことのある程度の印象だったこの人。
瀧本哲史さん。

この本読んで、超合理的に解決策を導きだす人なんだなと。
かつゴールを実現するためには、あらゆる手段を使う人なんだなと。
どちらも良い意味ですが、改めて、そう感じました

さて、オススメは、こちら。

 

武器としての交渉思考 (星海社新書)

武器としての交渉思考 (星海社新書)

 

 

【ざっくり100文字サマリー】

・大切なのはロマンとソロバン。合理だけでは人は動かない。情理で人を初めて人を動かすことができる。

・交渉の基本は、相手の利益を最優先して考える事。「あなたにとって○○○な良いことがあるので、○○○をしませんか?」と打診する。

・交渉が決裂した時の対処策として最も良い案=BATNA(バトナ)を考えておくことが重要。「もしかしたら、○○と言われるも。だったら、○○○の手も用意しておこう」という発想。

 

BATNAとは英語で、Best Altenative To a Negotiated Agreementの略で、これを簡単な日本語に訳すと、

「交渉が決裂した時の対処策として最も良い案」 

・自分の中で、「交渉する人」、「分析する人」、「意思決定する人」を頭の中でわけることで、交渉時に、良い意味で「他人事」のように振る舞う事ができる。

・交渉時の条件提示手法がアンカリング。(失礼に値しない(交渉が決裂しない)ラインで、できる限り自分にとって最良に優位な条件を提示)
→具体的には、高い目標であること、現実的な数値でもあること、イコール説明可能な数値であること。

・譲歩をする際に、大事な事は、「無駄な譲歩はしないこと」、「譲歩するなら、相手にとって価値が高く、こちらにとって価値が低いものを選択する

・交渉時に大事な事は、相手にとっての争点と相手にとっての優先度を決める事

・交渉の現場でのテクニックは、「沈黙に耐える」と「情報を提示しないことを有効活用する」

 

・非合理な意思決定には、6つのタイプがある。

①「価値理解と共感」
→お金などわかりやすい価値よりも、自分だけにしかわからない価値観を持っているケースがある。なので、大事な事は、相手にとっての大事な価値観とは何か探る事。 

②「ラポール=信頼関係」
ラポール=フランス語で橋を架ける、という意味。イコール信頼関係を大事にすること。信頼関係を築くには、「相手に好意を伝える(好意の返報性)」、「スモールギフトを送る(好意を示す)」、「共通項を見つける」、「相手と同じ振る舞いをする(類似性の好意)」、「共同作業を行う」

③「自律的決定(自分で決めた感)」
リテラシーの高い人ほど、相手に説得された感があるのを嫌がる。そのため、「説得」ではなく「情報提示」のみにフォーカスしたコミュニケーションをとる。この自律的決定をしたがるタイプはプライドが高そうな言動・発言=威張っている人、と推察できる。

④「重要感の創出」
相手が自分のことを「より重く」、「より大事」に取り扱ってくれる事を望む人。
このためには、(1)相手に興味をもつこと、(2)多頻度なコミュニケーション、(3)相手の興味に沿った送りもの、(4)相手からの申し出にはいち早く応じる、(5)意思決定者への根回し(俺は聞いていない!と言って、すねる事を防ぐ)

⑤「ランク主義者」
肩書きがある人でないと、話のテーブルに乗らない人。この場合には、自分自身のラベルをよく見せるか?ラベルが高い人をつれてくる、ということが重要。

⑥「動物的反応」
相手がネガティブな時や戦闘モードな時よりは、うきうき浮ついている状態の時に交渉をする。(月曜日よりも金曜午後の方が、交渉がしやすいというデータがある)


【学び】

1)結局のところ、交渉は情理と合理

2)まずは、徹底的に相手が「YES」を言うための価値観の種類とその優先度を知る事。

3)その上で、相手の価値観を満たすための「行動」、「ギフト」、「交渉材料(金銭他)」を用意する事

 

 

ウォークマンまで、まだまだ。がんばろうー。